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どんな活動をしているのでしょうか?

1.具体的な活動は、専門家による巡回相談会活動、学習会への講師の派遣、被災地の復興事業の企画・実施等です。1回で終わるものから継続するものまで、期間も短期から3〜4年かかるものまであります。

2.復興事業の例としては、次のようなものがあります。

  1. 広域の地盤移動地区の境界再確定の支援
  2. マンションの再建・復興の支援
  3. 倒壊市場の共同再建の支援
  4. 土地の合筆・交換等を伴う共同建て替えの支援
  5. 組合施行土地区画整理事業の支援

(1)は、住宅地域で境界が数10センチずれた例です。隣の土地同士で境界の位置に争いがある場合はよくある例ですが、境界が移動した位置に争いがない場合で、多数の境界を一挙に再確定することは先例がありません。土地家屋調査士が全体の計画・測量を、弁護士が協定書の作成を、税理士が税務全般をそれぞれ担当し、行政との協力も得て実現しました。これは区画整理を応用した独自のノウハウで、市街地での地盤移動の先例となるものです。

(2)は、被災マンションの再建等に対する支援例です。被災マンションをめぐっては法律そのものに内在する問題や、再建方針をめぐる合意形成の難しさが多数のマンションで噴出しました。建築士がマンションの被災程度を診断し、不動産鑑定士が法律適用上の鑑定作業を行い、弁護士らが再建組合等における合意形成の手順を説明し、土地家屋調査士・司法書士が再建後のマンションの登記事務等を支援しました。

(3)は、倒壊した市場において、店舗兼住宅の共同建物を再建した例です。商業に携わる支援者たちを建築士が再建全体をコーディネートし、弁護士・司法書士らが複雑な権利関係を整理し、税理士が権利調整にともなう会計処理を行いました。

(4)は、小規模な建替え事例です。個人で行う建て替えではなく、共同で建て替え事業を行う際に土地の合筆・交換を必要とするような場合、土地家屋調査士、建築士、弁護士、税理士などの支援が必要となりました。

(5)は、組合が施行者となった市街地での区画整理です。市街地では住民の合意形成が困難なため、組合が施行者になった区画整理は先例がありません。また、小規模密集住宅地なので建築基準法の改正により建物の再築ができなくなったことから、住民が土地を提供し合って敷地を合筆し、マンションを建築しました。派遣された弁護士が法律全般を担当し、税理士が税務一般を担当しました。

3.支援の手続は、市民の支援要請に応じて相談や専門家の派遣を行います。相談件数は237件、うち相談のみは128件、取り下げ70件、受理39件、派遣された専門家は延べ245名でした。

4.復興まちづくりは長期間かかるのが通常ですし、様々な困難が伴いますが、これは法制度上の問題に起因する面があることも否定できません。
 これに対する政策や制度の提言を行うため、平成8年12月14日に、関東・関西の公法、私法、住宅、都市計画の研究者15名と各専門家職能の実務家15名の計30名からなる支援機構付属研究会が組織されました。
 研究会では約2年間にわたって研究活動を行い、その成果として平成11年3月17日に『提言・大震災に学ぶ住宅とまちづくり』(東方出版)を公表・出版しました。


現在はどんな活動をしているのでしょうか?

1.支援機構は前記の活動を行ってきましたが、復興が進み、震災後3年経ったころから支援要請がなくなってきました。そこで、支援機構は活動が目的を達したものとして解散するか否かが問題となりました。
 しかし、このような専門家団体の連携による横断的な団体は全国に存在せず、市民のためにはその存在が非常に重要となります。また、支援機構は震災後1年8ヶ月後に設立されたのですが、震災直後から支援機構が存在していれば被災地のためにもっと有効な活動ができたはずであると考えられます。
 特に、被災地では都市計画に関して市民と行政が対立しましたが、このとき支援機構が存在すれば別の展開があり得たと思われます。そこで、支援機構を今後も存続させるとともに、平常時から支援機構をつくるよう全国に呼びかけることにしました。

2.支援機構は、平常時対応の活動として神戸市住宅供給公社の神戸市すまいの安心支援センターと協力して、マンション問題等に専門家の相談・派遣の活動等をおこなっています。

3.また、支援機構を全国に広めることを目的として、平成12年2月10日、東京市ヶ谷において、「被災地まちづくり支援から学ぶ」というシンポジウムを開催しました。
 平成12年6月18日には、北海道有珠山でのフォーラムに参加するとともに同月19日に札幌の6職種の専門家団体をまわって支援機構設立を呼びかけ、更に「有珠山QアンドA」というラジオ番組を制作して有珠山のFM放送局で放送しました。
 平成13年4月30日には、芸予地震に関して呉市の視察と同地での地震に関するフォーラムに参加しました。
 平成15年1月18日には、静岡県の自治体・専門家団体と共に、静岡市において「阪神・淡路まちづくり支援から東海地震を考える〜専門家職能と市民・行政の連携を〜」を開催しました。
 平成15年8月には、宮城県連続地震に関して被災地、仙台市の専門家団体をまわって支援機構設立を呼びかけました。


支援活動は無償でしょうか

 支援機構の活動はボランティア精神に支えられたものではありますが、健全な制度として永続するためには、無償であることは不可能と言わざるを得ません。そのため、活動は有償でなされます。

 しかし、被災した市民に大きな負担をかけることは望ましくありません。

 そこで、神戸市・兵庫県の外郭団体である神戸のまちづくりセンターと兵庫のまちづくりセンターの協力を得て、支援機構の専門家を両センターの専門家として登録し、神戸市内の事業には神戸のまちづくりセンター、その他の兵庫県内のまちづくりは兵庫のまちづくりセンターから派遣されたものとして、両センターから報酬の支払いを受け、市民の負担を軽減するよう努力しています。この面でも行政との連携がなされています。

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